前回、 証券口座開設について簡単に整理してみました。それを説明する際に銀行口座から証券口座に資金(お金)を移すということについてうまく理解してもらえませんでした。
言葉で「銀行口座」「証券口座」というだけではその違いや位置付け・関係性を理解するのは難しいのかもしれません。
どちらも「口座」と名付けられていますが「証券口座」のほうは馴染みがないだけに「銀行口座」とどう違うのか戸惑うところもあるようです。
そこで、銀行口座と証券口座について簡単に整理してみることにしました。また、銀行口座から証券口座に資金を移す(入金する)方法についても簡単に整理します。
[参考] 前回 整理した口座開設の話
銀行口座と証券口座
銀行口座は、おもに普段の生活で使うお金を預けておくところ。と考えればよいと思います。給料などを振り込んでもらう口座であり、水道代・電気代などの引き落しに使う口座でもあります。やりくりをうまくできてお金が貯まるのもまずはこの口座になります。
もちろん、お金の管理のためにこれらのお金を目的別にいくつかの銀行に分けている人もいるでしょう。ある程度貯まったお金を定期預金としている人もいるでしょう。
これに対して、証券口座は、株や投資信託などで資金を運用するためのものです。
銀行の定期預金では10万円を預けても100円くらいしか金利をつけてくれない時代が長く続きました。それなら減る可能性があるかもしれないけど〝株〟とか〝投資信託〟というものでもう少しお金が増えるものに回そう。そう考える人が増えて証券口座を開設する人が増えました。ネット証券と呼ばれる種類の証券会社が大きくなったことでスマホで手軽に株や投資信託を売買できるようになったことも理由のひとつと言えます。
そのようなことから誰もが銀行口座を持つように、多くの人が証券口座も持つようになりました。
このように銀行口座と証券口座は用途の違いがあります。
ことばで説明してもイメージしにくいかもしれません。そこで簡単ですが図にしてみました。
図の左は、銀行口座をイメージしています。銀行では通帳(青い四角)を持っているイメージです。(ネット銀行などでは通帳は無くてスマホやパソコンで明細を見るようになっています)その銀行口座にお金(預金)を預けているイメージです。そのお金は生活のためのお金(生活資金)だったりすぐには使わないけれど何かがあったときのためのお金(余剰資金)だったりします。
図の右は、証券口座をイメージしています。証券口座には株や投資信託などで運用するためのお金(投資資金)があり、株取引などによって買った株などがある。というイメージです。
証券口座を開設したときには、当然、投資資金も株なども口座にはありません。まずは証券口座に投資資金を「入金」する必要があります。
証券口座に投資資金を入金する方法
証券口座に投資資金を入金する方法はいくつかあります。証券会社それぞれに様々な方法が用意されていますが、基本の入金方法は2種類と思っておいてよいでしょう。
ひとつは、証券会社が入金サービスとして提供する方法。
もうひとつは、銀行などから振替で入金する方法。
前者は、証券会社がたくさんお金を運用してもらいたいので手数料が証券会社負担(無料)のことが多いようです。(図の①)
後者は、銀行口座からほかの口座にお金を移すときの一般的な方法です。証券口座を開設するときに証券会社が入金するための口座番号を割り当ててくれますので、その口座番号に振り込みます。振込手数料は銀行に払うことになります。(図の②)
証券会社はこれ以外にも多くの入金方法を提供しています。(図の①’)
銀行口座を指定すると即時に入金できたり、定期的に指定の額を入金するようにできたりなど、デイトレード(※1)や積立投資(※2)などに便利な方法を証券会社がそれぞれに工夫してそれぞれに名前を付けて提供しています。
自分の投資のスタイルが決まってくればそれに適した入金の方法を選ぶようにすればよいと思います。
(※1) デイトレードは、一日の間に「買って」「売る」を行う株式売買のやり方(スタイル)です。株以外の金融商品でもこのスタイルで売買を行う人もたくさんいますが、一日中パソコンかスマホで売買アプリを開いて値段を確認できるような人以外にはおすすめできません。
このページの内容を読んでいる方には言葉だけ知っておくだけでよいと思います。
(※2) 積立投資は、毎月○万円などのように一定間隔で定期的に投資信託などを買う方法です。銀行の積立預金のような感じになります。ただし、投資信託などは価格が上下に変動しますので、今月1万円で100株買えても来月は80株しか買えないかもしれませんし120株買えるかもしれません。これが利益になるのかならないのかは簡単に説明できませんが価格変動のリスクを減らす投資のスタイルとして推奨される方法(のひとつ)です。
証券口座から投資資金を出金する方法
入金と反対方向にお金を動かす方法ですが、これも証券会社によってさまざまな方法が提供されています。
ここでは、説明を割愛します。
まずは、入金した投資資金をどのように〝運用〟して資金を増やすことを考えるかが先になります。
これについては、対象の金融商品を株にするか投資信託にするかETFにするかなど商品の特長とどれくらい損をしても大丈夫でいられるかという自分の許容度などから考える必要があります。悩むのは口座を開設して資金を入金してからが本番です。
人にアドバイスなどできるほど知識も経験もありませんが、考え方(思うところ)くらいは今後書いてみようかなと思います。


